受付の金井です。今回は、舌小帯短縮症について書かせていただきます。
皆さんは、舌小帯短縮症についてご存じですか? 漢字を見るだけで舌の小帯が短いのか!?と分かるかと思いますが、舌小帯とは舌の裏側についているヒダのことをいいます。
このヒダが生まれつき短かったり、舌の先端に近いところについていることがあり、このような状態を舌小帯短縮症といいます。
先天性の異常で、優性遺伝の病気なので両親のどちらかがこの遺伝子を持っていた場合、必ず産まれてくるお子さんには発生します。割合は、全体の1~5%でやや男児が多いといわれています。
次に、主な症状についてご紹介します。
【主な症状】
①ハート舌:舌を出した時に、先端がヒダに引っ張られ舌の先端にくびれができる
②浅飲み :赤ちゃんの乳房への吸いつきが浅い
③眠り飲み:吸いつきが弱いため、哺乳不十分のまま疲れて眠ってしまう
④体重不良:哺乳量が不十分なため体重が増えない
⑤舌足らず:舌先を使うサ・タ・ラ行がうまく言えず活舌が悪い
⑥舌が短い:舌を長く出せず、持ち上げられないのでアイスクリームを舐められない、あっかんベーが出来ない
上記6つが主な症状となります。
①は、舌小帯短縮症の代表的な症状となります。
新生児、乳幼児期では、
主な症状の②③④は、出産後すぐに直面する問題となります。うまく母乳を吸ってくれない、体重の増えが悪いなど不安に思っていたら、その原因が舌小帯短縮症だったということも多くあります。
ですが、『舌小帯短縮症だから哺乳障害が起こっている』という根拠はしっかりと示されていないことから、舌小帯の手術を推奨していない医師もいるのが事実です。
それでも、哺乳障害があり体重不良がある場合は一度、医療機関へ相談してみるのもいいかと思います。
次に、幼児期になると
3歳頃から発語がしっかりしてきます。その頃に気になり始めるのが、主な症状の⑤⑥になります。特に、『サ・タ・ラ行』は舌を上下の前歯の間に挟んで発音することから、発音障害に気付きやすい言葉といわれています。
他にも、早口言葉が言えない、長い間話をすると舌が疲れるなどの症状がある場合は、舌小帯短縮症の可能性もあります。
ですが、舌を上下に動かす機能訓練を行うだけで軽症な場合は改善される場合もあります。気になった場合は、舌をよく動かしてみることから始めてみましょう。
それでも、改善しない場合は医療機関を受診し舌小帯の手術を行う方法もあります。
【治療方法】
前文でもお話しましたが、軽症の場合は機能訓練を行うだけで改善がみられることもありますが、手術が必要な場合も多くあります。
手術方法は複数ありますが、主な方法は局所麻酔(年齢に応じては全身麻酔で行う場合もあります)をし、ヒダをメスや電気メスで切除します。切除後に縫合する場合もありますが、縫合しなくても問題はありません。
また、電気メスでの切除は術後の出血も少ないため日常生活を過ごせます。
切除後は、治癒段階で多少は癒着してしまうのは自然現象ですが、なるべく癒着しないように機能訓練をし舌を動かすようにすることで、これまで舌が動きにくい状態にあり衰えた舌の筋力を鍛えることで滑舌や舌の可動域が改善されます。
手術費は、保険適用で医療受給者証をお持ちの年齢の場合は公費負担になります。
遺伝性の病気と聞くと怖くなってしまうかもしれませんが、治療をすれば治る病気です。また、小さい時に気づかぬまま大人になり、大人になってから活舌が気になり舌小帯の切除を行なう方もいらっしゃいますし、特別不自由を感じず治療もしないまま日常生活を過ごしていらっしゃる方もいます。
ですので、特別に怖がる心配はありません!歯科医院では、歯や歯茎の状態はもちろん、舌の状態も診させていただきます。状況に応じて、専門の病院へ紹介させていただくこともございます。
「舌が短い気がする…」「活舌が悪い気がする…」など、ご不安やご心配がございましたら、いつでも当院にご相談ください。
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