皆様こんにちは。今回は下のあごの骨や、上のあごにできる「外骨症(がいこつしょう)」についてお話ししようかと思います。
「外骨症」という言葉は普段聞きなれない単語で、若干物々しいイメージがあるかもしれません。
しかし、そんなに恐ろしいものでもないので、まずはご安心ください。
さて、この外骨症というものですが、その正体は「顎で骨が過剰発育してしまった」状態のことです。そして定まった場所にできるのが骨隆起(こつりゅうき)と呼ばれ、上あごのところにできるものを口蓋隆起(こうがいりゅうき)、下あごの内側にできるものを下顎隆起(かがくりゅうき)と呼びます。
これらはそこまで珍しいものではなく、日本人の約50%にみられるといわれています。
この骨隆起はなぜ発生するのでしょうか?原因としては明確化されていませんが、骨への慢性的な刺激や、噛みしめなどのブラキシズムが関連していると考えられています。ストレスのかかりやすい現代社会ではこの骨隆起があったとしても何もおかしなことではありません。かくいう私も下のあごに骨隆起があります。思い返せば高校生のころからあったような、、、?
【下顎隆起】
皆様のお口の中もよくよく見てみるとあるかもしれませんね!
さて、この骨隆起があった場合どうすればいいのでしょうか。結論から申し上げると特別な事情がない限りそのまま様子をみます。
基本的には体に害を為すものではありません。特別な事情というのは歯がなくなってしまったとき、入れ歯を作る際に支障をきたしてしまう場合などです。その場合はその盛り上がっている場所を削除、整形等を口腔外科で行います。しかしそういった手術を行わなくとも入れ歯の設計を工夫することで作成することも可能ですので、ご相談いただければと思います。
ただ、この骨隆起がある方のお口の特徴として、「噛む力が強い」可能性があります。噛む力が強いことはしっかり物を噛むために大切なことですが、あまりにも強い力がかかってしまうと歯が割れてしまったりすることもあります。ご自身の歯をしっかり守っていくためにも噛み合わせの力をうまくコントロールしていきましょう。
ではどのようなことに気をつけていけばよいのでしょうか?
もしもお口の中でこの骨隆起があった場合、特に気を付けていただきたいのは日中の食いしばり、夜中の歯ぎしりです。日中の食いしばりについてはお仕事中や家事、忙しくしているときに歯と歯が合わさっていないかチェックしてみてください。
普段意識していないと思いますが、ストレスのかかるシーンになると私たちはつい癖で食いしばりをしてしまいます。人間の噛む力は大体自分の体重と同じくらいといわれています。それだけの力がかかると、歯に負担がかかることは想像に難くありません。リラックス状態のときには歯と歯の間は0.5mm~2mmほど離れているのが正常ですので是非歯と歯を離す意識をしてみてください。また夜中の歯ぎしりについてはスプリント治療が有効です。気になる場合にはぜひご相談ください。
今回は「外骨症」をテーマに取り上げましたが、ご自身の噛む力、習癖の一つのチェッカーとしてみていただければ幸いです。
お口にどういった特徴があるのか、何に気を付けなければいけないのか、それは個人個人で異なります。ご自身のお口の特徴を理解していただくことがより良い食生活、ひいてはより良い人生へつながると考えております。当院ではその取り組みとして唾液検査やカウンセリングを行っております。是非お気軽にご相談ください。
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