離乳食と歯科の関わりについてご存じですか?
●離乳食と歯科の関係
授乳期から離乳食期は、歯並びや口腔機能、発語、健康に大きく影響があります。
むし歯や歯並びは遺伝だけではなく、普段の生活習慣も要因になります。
お口の機能を育て、しっかりとした生活習慣で、綺麗な歯並びや健康な発達のための離乳食の与え方について歯科の視点でお話します。
離乳食開始の目安
①母乳を上手に飲める力がついている
・飲み込む力が十分にある
・だらだら飲みではなく、お腹が空いているときに一気に飲み終わり満足している
・次の授乳まで十分に時間が空く
②座った状態が保てる
・腰がしっかり座らないと、離乳食を食べる舌の動きができない
・腰の座りが不安定なまま離乳食を始めてしまうと、誤嚥の危険性がある
③赤ちゃんが食事を欲しがる様子が見られる
・大人の食べ物に手を出したり、食べ物を見てよだれを流す、口をもぐもぐ動かす仕草があると、嚥下できる状態の目安になる
離乳食の進め方
①離乳食前期(生後5~8カ月頃)
離乳食で重要なことは、舌を上顎に圧接して食べ物を潰すことです。
お子さんの発育に合わせて、舌で潰せる硬さのものを与えましょう。
赤ちゃんに唇を閉じて食べさせることが、唇の力を付ける事に繋がります。
②離乳食後期(生後9~11カ月頃)
舌の力がついてくると、食べられる物も増えてきますが、奥歯が生えるまでは舌で潰せる物を与えましょう。
離乳食で無理に硬いものを食べさせる必要はありません。奥歯が生え揃うまでは、舌を動かすトレーニングの方が重要です。
早期に硬いものを与えると、窒息等の原因になることがあります。
まずは、咀嚼できるように練習していきましょう。
正しい離乳食の与え方
スプーンに食べ物を乗せて赤ちゃんによく見せる
↓
ゆっくりとスプーンを下唇の先に持っていく(食べ物を奥まで入れないように注意)
↓
赤ちゃんが自分で食べ物を取り込むのを待つ
↓
食べ物を取り込んだらゆっくりスプーンを引き抜く
スプーンを押し込むように入れてしまうと、正しい嚥下機能を得ることができず低位舌(舌が正常な位置より低い位置にある状態)や口唇閉鎖不全(常に口が開いている状態)を引き起こし下顎前突に繋がる恐れがあります。
また、離乳食が硬すぎたり、一口の量が多すぎると、丸飲みや水分による流し食べになり不正咬合の原因になります。正しく離乳食を与えることで、舌と上顎で食べ物を潰し、奥に送って飲み込みます。唇や舌の筋肉が発達し、歯の生える場所を刺激して発達させます。
味覚の形成
離乳食期は、味覚形成の重要な時期でもあります。この時期に味の濃い物を与えすぎると強い偏食や味覚異常になる場合があるので注意しましょう。
手づかみ食べ
赤ちゃんが自分で食べ物をつかむことで、舌や口の筋肉の発達が促進されます。
自分で見たものを手でつかみ口へ運ぶことで、目・手・口の協調運動も身に付きます。
自分で選んで口に運ぶことで、食べ物への関心が湧き、食べる意欲が向上します。
手づかみ食べができるようになると、ずっと傍で食べるお世話をする必要がなくなり、一緒に食事をすることができます。(窒息などの危険がないように注意)
一緒に食卓を囲むことで、赤ちゃんも楽しく食事ができ、会話など学びの場にもなります。
お子様の将来のお口のために、正しく楽しく離乳食を始めてみましょう♪
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