まず、癒合歯=「ゆごうし」と読みます。
●癒合歯とは?
隣り合った2本の歯が癒合して(くっついて)1本になって生えてきた歯のことです。
神経も1本でつながっている場合と、2本別々の場合があります。
赤丸のところが癒合歯です。左下の乳側切歯Bと乳犬歯Cがくっついて1本になって生えています。溝があり、一見2本の歯に見えますが、フロスを通してみると、くっついているのでフロスが通らず癒合歯ということがわかります。
癒合歯は乳歯の前歯に多く見られ、乳歯が3~4%、永久歯は0.3%程と言われています。
乳歯で特に多く見られるのが、下の乳中切歯Aと乳側切歯Bがくっついている場合か、下の乳側切歯Bと乳犬歯Cがくっついている場合です。
次に多く見られるのが、上の乳中切歯Aと乳側切歯Bがくっついている場合です。
癒合歯の原因は、はっきりとは解明されていませんが、お母さんのお腹にいるときに歯胚(乳歯の芽となるもの)が何らかの原因でくっついてしまったと考えるのが一般的です。
しかし、癒合歯は母親のせいではありません。その後の口腔ケアを考えてあげることが大事になります。
●癒合歯への対応
①癒合歯自体は問題ありませんので切断したり、何か治療をする必要はありません。
ですが、くっついている部分はくびれていて汚れが付きやすく、むし歯になりやすいです。
むし歯が大きくなると神経の治療をしなければいけなくなりますが、癒合歯は正常な歯に比べて治療が難しくなり、お子さんの負担になります。むし歯予防の為に、溝が深い場合は、シーラントで予防処置をしたり、定期的にフッ素塗布をして歯質を強化することも効果的です。仕上げ磨きも大切です。
※シーラントとは・・・歯科用の樹脂を使って溝を埋める予防処置。フッ素も入っている。
②乳歯の癒合歯は、永久歯も癒合していたり、生えてくるはずの永久歯が無いこともあります。
例えば、下のBとCが癒合歯だった場合、永久歯に生え変わるとき下の2番目の歯が欠損している可能性があります。その場合、永久歯が「すきっ歯」になったり、左右で歯の本数が違い、噛み合わせのバランスが悪くなります。
永久歯があったとしても、癒合歯は1.5本分程の大きさしかありませんので、癒合歯が抜けたところはスペースが狭くなりやすく、そこへ永久歯が2本生えてくると綺麗に並ばなくなることがあります。
矯正治療を考えなくてはいけない場合もあるので、レントゲン撮影ができるようになる4~5歳なったら永久歯の有無を歯科医院で確認することが大事です。
③乳歯の癒合歯が自然に抜けない場合は歯科医院で抜く処置をします。
通常は、生え変わりの時期になると歯がグラグラして自然に抜けます。
これは、乳歯の根っこ(歯根=しこん)が溶け、グラグラと揺れてくるものです。歯科用語で歯根吸収と言います。
ですが、癒合歯は2本の歯がくっついたものなので、1本の歯根が吸収されても、もう1本の歯根が吸収されないことがあります。そうすると、乳歯が抜けずに残ってしまい、永久歯が正常な場所に生えてこなくなるので癒合歯を抜く必要があります。
●癒合の仕方によって、癒着歯(ゆちゃくし)・双生歯(そうせいし)と呼ばれるものもあります。
歯のセメント質や象牙質、神経がどこで結合しているかで判断されます。
癒合歯は、象牙質の部分でくっついているもの
①癒着歯
セメント質の部分でくっついている
②双生歯
もともとは1つだった歯胚が2つに分かれたもの
●癒合歯は、前歯(AとB・BとC)で見られることが多いとお話ししましたが、前歯ではなく、稀に見られる奥歯が癒合している場合が下の写真のようなものです。
右のCとDがくっついています。
当院には女性Drも在籍しており、お子様のペースに合わせて治療させていただきます。
お子様のお口の中で気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
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