歯科と栄養の密接なつながりをより多くの方に知っていただけるよう活動しています。
最近、災害が頻発しており、さらに日頃から災害時の備えが重要だと感じています。また、能登半島地震で被害にあわれた歯科医師の方の講演会に参加させていただく機会がありました。
この機会に、管理栄養士の観点から情報提供と講演会で学んだ内容を共有出来ればと考え、
災害時におきやすい問題と備えをまとめました。
【基本的な防災グッズ】
【災害時に起きやすい問題】
① 栄養不足
避難所では、おにぎり、パン、菓子類などの炭水化物(糖質)の配給が主で、肉・魚・卵・乳製品・野菜・果物などの生鮮食品は不足しがちです。災害時に最低限意識しなければならないことは、三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)を摂ることです。
糖質は、米や餅、雑穀、根茎類、果物などから得られます。たんぱく質は、肉・魚介類・大豆製品から得られます。脂質は、肉・魚介類のほか、調理用油として使う菜種油、大豆油、ごま油からも摂れます。ビタミン、ミネラル、食物繊維も大切な栄養素になります。持病がある方は、常備薬も多めに準備しておくが大切です。
備えておくと災害時の栄養補給に有効的な非常食
主菜(タンパク質を多く含むもの)
不足しがちなたんぱく質を摂るために、主菜として、魚介類や肉類の缶詰が手軽で長期保存も可能です。丼やカレー、パスタソースなどのレトルト食品・フリーズドライソース類、乾物も有効です。
副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源)
野菜不足からビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足しがちで、便秘や口内炎を発症しやすくなります。副菜として、日持ちする野菜を多めに買い置き、野菜ジュースやドライフルーツ、乾物も用意しておくといいです。インスタントみそ汁や即席スープなども準備しておきましょう。
主食(エネルギー源となるもの)
パックご飯や餅、麺類など炭水化物が豊富なエネルギー源となる食材を揃えます。
芋類なども日持ちし炭水化物を多く含むため災害時に有効的です。
果物(ビタミン・ミネラルを補うもの)
果物を常備しておくことも大切です。ドライフルーツは日持ちするため災害時に有効的です。
高齢者は、冷たいごはんなど、飲みこみにくい食品が多くなりがちです。エネルギーやたんぱく質の摂取不足が比較的、長期に続きやすく、BMIの低下がみられることもあるそうです。
誤嚥性肺炎や窒息の恐れがあることから、食べやすい食形態にして摂ることも大切になります。食品にとろみをつける商品も多く出ているので紹介します。
イオンサポート とろみタイプ
水1ℓに1袋混ぜるだけ。計量の手間がないので簡単です。
誰が作っても失敗しないので安心してお使いいただけます。
水分補給と一緒に 電解質の補給もできるイオンサポートとろみタイプは栄養ケアの便利なアイ テムとしても期待できます。
パンがゆミックス
お湯を加えて混ぜるだけでおいしいパンがゆができる便利で栄養豊富なミックス粉
② 水分不足
災害時に必要な水の量は、農林水産省や東京消防庁のガイドラインによると、1人あたり1日あたり1L程度、調理に必要なお水を含めると3L程度です。最低でも3日、できれば1週間分の飲料水を確保することが推奨されています。また、災害時に水分を補給する際は、のどが渇いていなくてもこまめに少しずつ補給しましょう。汗を多くかく場合は塩分も補給しましょう。
飲料水やトイレの数が限られること、水分量の少ない非常食の摂取などにより、水分の摂取量が減少するとされています。水分の摂取が不足することで、「脱水」「エコノミークラス症候群」「低体温症(夏季は熱中症)」などが懸念されます。能登半島地震で関連死を増加させた大きな原因は断水だったそうです。
歯科の観点からすると、「歯磨きが出来ない」ことが原因で口腔内の状態が悪化することが考えられます。現在は、水を使用しなくても口腔内の清潔を保つための商品も多くあります。
被災地でのアンケート結果を基にいくつかご紹介します。
物資アンケート(歯科系)
1位:水
2位:ブラシ系
3位:清拭シート
4位:マウスウォッシュ
5位:保湿剤
6位:義歯ケース
7位:タブレット類
③ 衛生面
集団生活やライフラインの断絶といった慣れない生活が継続すると、被災後の心的ストレスとあいまって体の抵抗力が低下すると言われています。そして、避難所の適切な衛生管理がなされないと、感染症や食中毒が発生しやすくなり、避難全員の健康や命にかかわることになりかねません。能登半島地震の際は、コロナやインフルエンザによる関連死も多く発生していました。特に、避難所のトイレの衛生面の管理がいきとどかず大変だったそうです。これに伴いトイレに行かなくてすむよう水分摂取を意識的に減らす方も多くいたそうです。
災害発生時、電気やガス、水道をはじめとしたライフラインが止まってしまった場合に備えて、日頃から飲料水や非常食等を備蓄しておきましょう。また、自宅が被災した場合は、安全な場所に避難して生活を送る必要があります。避難所での生活に必要なものはいつでも素早く持ち出せるよう、事前に備えておくことが大切です。
【参考文献】
1、 https://weathernews.jp/s/topics/202203/080205/
2、 https://www.healthy-food.co.jp/product/cat1/cat2/cat/post-56.php
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