歯科衛生士の中俣です。

皆さんの歯科医院へのイメージは、どのようなものでしょうか？

日本人は真面目なことで知られています。しかし、お口の中への意識が海外に比べて低く８０歳で残っている歯がかなり少ないのです。

日本ではまだまだ歯科医院は「治療するところ」であり、「歯を守るところ」というイメージが浸透していないことが大きな要因かもしれません。

日本人は、８０歳で残っている歯の数が少ない！？

上のグラフは、８０歳において残っている歯の平均本数です。

一目見て海外に比べ、日本のグラフが低いことが一目瞭然ですね。

同じ先進国のスウェーデンでは、入れ歯の方はほぼいないそうです。しかし、日本では上記のグラフでも見て取れるように、ほとんどの人が入れ歯ということになります。それはなぜなのでしょうか？

まず、歯を失う直接的な原因はほとんどが虫歯と歯周病です。この２つはどちらとも自然治癒することはないとされています。

特に歯周病に関しては、「静かなる病気」と言われ、ひどくなるまで自覚症状がない慢性疾患が１つの特徴です。さらに近年、全身疾患との関わりも明らかになってきています。

では、どうすれば予防できるのでしょうか？

このグラフは、歯のメインテナンスに通っている方の割合を示しています。

８０歳で歯が多く残っている国では、ほとんどの方が定期的に専門的な歯のクリーニングを受けています。その一方で、日本では半数どころか１０％にも満たしていないのです。

海外と日本の大きな差は、歯科医院への認識の差だといえます。それは「治療するところ」なのか、それとも「予防（健康を守る）するところ」なのかです。

虫歯と歯周病は、一度なってしまうと基本的に元通りにはなりません。

しかし、予防のできる疾患でもあります。

また、口腔内は感染症とも関わりがあります。口は「食べる」「話す」「呼吸をする」など私たちの日々の生活において重要な役割を担っていますが、様々な細菌の入り口でもあります。

その口腔内を清潔に保つことは、感染予防にとても有効です。実際に口腔ケアによって多くの感染症予防になることが多くの研究で証明されています。

また、若い時から歯のメインテナンスを受けているとご自身の将来における医療費が減るというデータもあります。

歯科の疾患は慢性疾患が多く、自覚症状が出てからの受診では虫歯も歯周病も大きく治療をしなければならないことが多々あります。定期的なメインテナンスを受けていれば「入れ歯になることは仕方ない」なんてことはありません。

80歳、90歳になっても自分の歯で美味しく食事ができ、思い切り自信をもって笑うことができます。

当院は、定期予防型歯科医院です。歯科衛生士が10名在籍し、治療後のメインテナンスに力を入れています。患者さん一人ひとりにあった治療・メインテナンス・カウンセリングを行っていますので、何か気がかりなことなどがあれば一度当院にご相談ください。

次回の歯の豆知識は・・・

金属アレルギーについてお伝えします。