管理栄養士の服部です。
佐藤歯科医院には管理栄養士が3名在籍しています。
私達は、歯科と栄養の密接なつながりをより多くの方に知っていただけるよう活動しています。
当医院には、小さいお子さんがいるスタッフが多く勤務しています。お子さんの好き嫌いやお菓子の種類について多く悩みがあるという声を聞きました。また、妊婦健診やご家族での通院をされる方々が増えています。
この機会に、管理栄養士の立場から情報提供できればと考え、好き嫌いが激しい子供に対して野菜を食べさせる工夫や偏食にならないための対策、お菓子の選び方などを「子供の偏食」というくくりでまとめました。
【偏食と好き嫌いの違い】
偏食とは、「ある特定のメニューしか食べない」、「ある食材を絶対に食べない」などをいいます。
好き嫌いは、年齢とともにある程度解消されます。子どもの頃に食べられなかったが、成長したら食べられるようになったというのは、偏食ではなく好き嫌いにあたります。
【偏食の例】
●野菜を口に入れない
●お肉を食べない
●白いご飯しか食べない
●お菓子は食べるのに食事をきちんととらない etc…
【偏食の原因】
子供の味覚はとても敏感です。苦みや酸味がある食べ物には敏感に反応します。そのような味が危険だと本能で知っているからです。
① 過去の経験によるもの
過去にその食べ物で体に悪影響が出た記憶が残っているからという理由が考えられます。それを食べたあとに気持ち悪くなった・吐いた・寝込んだなどの体験が、子供の偏食を招いている可能性があります。
② 食べたことがない恐怖心によるもの
大人はすでに何度も口にした物も、子供にとっては初めてであり、どのような味や食感かが
分かりません。そのため、警戒心が邪魔になり食べられないのです。
③ 普段の生活によるもの
生活習慣が不規則であるという理由が挙げられます。間食が多い家庭は、食事の時間に子供のおなかが空いていないため、好きな物しか食べないなどの偏食が起こります。
④ 食感や味の好き嫌いによるもの
硬い、大きいなどの物理的な要因から食べづらいと感じているケースもあり、調理方法を工夫
して解決することもあります。
⑤ 保護者側が偏食の可能性がある
保護者が偏食だと子供にもその食品を食べさせなかったり食事内容が偏ったりするため、子供も偏食になりがちです。
【偏食が健康に与える影響】
① 体の成長に影響する可能性がある
食べる物が偏るので栄養も偏ってしまいます。そのため、体の成長に影響を与える場合があります。また、将来的にもいろいろな病気のリスクを高めてしまうこともあります。
② 精神面の発達に影響する可能性がある
「嫌いな食べ物を食べる」という苦手なものに挑戦する機会を奪うことになります。
また、食べたことのない物を食べ物に興味を持つ機会も奪ってしまうことにもなります。
そのため、食事の中で身につけられるチャレンジ精神や、好奇心などを子供が得られず、
精神面の発達に影響を与える場合があります。
③ 学力への影響も懸念されている
脳は6才くらいでその発育をほぼ終えてしまいます。そのため、6才までに脳の成長に必要な栄養を食事でしっかりと摂っておくことは非常に重要です。偏食で栄養に偏りがあり、十分に脳を成長させることができなければ、その後の学力にも影響を与えると言われることもありますので、バランスの良い食事を心がけましょう。
【偏食の対策】
① 調理方法を工夫する
他の食材と一緒に子供が嫌いな食べ物を料理に紛れ込ませる手段もあります。子供が嫌いな食材を細かく切って、好きな具材と混ぜ合わせると、きれいに食べてくれるケースもあります。ハンバーグやオムレツなどがその代表例です。
ケーキなどの手作りスイーツを作る際も、野菜を入れたお菓子にしてみるなど、料理のレシピに子供が苦手な材料を使って工夫してみましょう。切り方を変えるだけでも食べる場合があります。
② 食材を育ててみる
食材を育ててみることで、食べ物に対して愛着が湧き、偏食が改善される可能性があります。自分の手で野菜などを育てて、親しみを持てば、「未知の食材」であるがゆえの恐怖心もやわらぎ、抵抗なく食べられるようになる可能性もあります。
③ 料理を経験させる
一緒に食事の準備をして料理の楽しさを覚えさせることが、子供の偏食改善につながる場合があります。保護者と共同で調理を体験してから食べることで、子供が達成感を得られます。料理の大変さを知ることで保護者に対する感謝の気持ちが湧き、自然に偏食が改善する可能性があります。
④ 食事時間にはお腹が空いているようにする
間食を減らすなど、生活習慣を調整することも重要です。空腹であれば好きな物以外も食べるようになり、偏食が改善される可能性があります。
⑤ 食事の時間を楽しいものにする
家族で楽しい会話をしながら食べると、子供の偏食を改善させる効果があるといわれて
います。家族が一緒に食事をすることは、とてもよいことです。なぜなら、楽しく食事をした方が子供の食は進むからです。
⑥ 食べられたらご褒美をあげる
食べたら何かをしてあげるというご褒美が有効です。子供が嫌いな食べ物を克服するたびに、何かご褒美を与えます。好きな食べ物をあげたり、言葉かけやおもちゃで遊ぶなど、子供が喜ぶことをしてあげましょう。
ご褒美が、子供のモチベーションアップにつながり、食べることが楽しくなっていくでしょう。
⑦ たまには外食に行く
食事の雰囲気を変えることで気持ちも変わり、いつも食べられない食材を食べてくれる可能性があります。保育園など、外では良く食べられても、家ではあまり食べない子供がいます。外で食べさせてみましょう。
⑧ 仲のいい友達と一緒に食事させる
友達がよく食べる子なら、つられて食べる可能性があります。楽しくわいわいとした雰囲気で友達と食事をすれば、普段食欲のない子供がいつもより食べる場合があります。子供は気分で食事をする傾向があるので、この方法も有効的です。
⑨ 栄養の大切さを教える
この食材はこれだけ良い栄養素を持っているから、食べれば大きくなれる、賢くなれると教えてあげれば、子供もその食べ物に興味を持ってくれるかもしれません。
⑩ 幼児頃にミルクでごまかしすぎない
幼児にミルクを飲ませ過ぎると、ミルクでお腹がいっぱいになり、固形食を食べなくなります。
固形食を食べないと、食べ物を食べるという経験を積むことができず、偏食の原因となってしまいます。
そのため、幼児頃にミルクばかり与えず、固形食も食べさせて、幼いうちからいろいろな物を食べるという経験をさせてあげましょう。
⑪ ゲーム感覚で克服する
食事の時間を楽しいものにすることも重要です。そのため、食事の際に、料理をして形が
わからなくなった食材を見せて、その食材の名前を当てるクイズを子供に出してあげましょう。
もし、子供が何の食材かわからなければ、その味をヒントにしましょう。もし、正解できればご褒美を与えても良いでしょう。
【オススメのお菓子】
① 栄養重視
◆米粉クッキー (ライスブランビスコッティ)
有機栽培米の米粉と米ぬかで作られたクッキー
保存料や着色料、香料が不使用のクッキー
米ぬか入りなのでミネラルやビタミンが摂取できる
小麦・乳製品・卵などアレルギー主要7品目不使用
4種類のフレーバーから選べて果物と野菜のおいしさが味わえる
◆お魚チップス (そのまま食べるかつおチップス)
DHA・EPA・カルシウム・高たんぱくで栄養満点!
化学調味料・保存料・着色料が使われていない
しっとり、半生でソフトな触感
味付けは、しょうゆと砂糖、みりんだけ
◆干し芋 (スティック干し芋はるかちゃん)
国産の紅はるかのみを使用
無添加・無着色で自然な旨味が楽しめる
蔵熟成されているから甘みが最大限に引き出されている
◆えんどうスナック (カルビー さやえんどう しお味)
えんどう豆のおいしさと栄養を活かしたスナック菓子
豆由来の栄養素であるたんぱく質・食物繊維が摂れる
えんどう豆を丸ごと使い、豆本来の旨味とさっくりとした食感が味わえる
油で揚げないノンフライ製法
着色料が使われていない自然な緑色
3歳頃から食べられる(メーカーホームページより)
◆サラダスナック (カルビー ベジたべる あっさりサラダ味 ミニ4)
5種類の緑黄色野菜が入ったスナック菓子
スナックの色は、野菜そのままの色
食べきりサイズなので外出先のおやつにもぴったり!
3歳頃から食べられる(メーカーホームページより)
味覚の土台が形成される3歳までが特に重要です!
お子さんの偏食対策に取り組んでみましょう!!
お気軽にお問合せください
お電話でのご予約・お問合せはこちら
0258-32-0210
診療時間:9:30~13:00/14:30~18:00
※土曜は16:30まで
休診日:日曜・祝日