歯科衛生士の内藤です。
歯の治療を途中で中断してしまうのは絶対にやめましょう。
「痛みが改善したからもう大丈夫。」「都合が悪く、通えなくなった。」
このように、途中で治療を中断してしまっている方は要注意です。
今回は治療を中断してしまうと、どのようなことが起きるのかをお伝えしていきます。
【応急処置のままで中断】
応急処置は、一時的に症状などは改善しますが、あくまで応急処置にすぎません。原因となるむし歯や細菌は残っている為、再度同じ症状が出現してしまう可能性があります。それを繰り返していると、次第に状態が悪化してしまうので、しっかりと根本的な治療をしていきましょう。
【小さいむし歯の放置】
最初は痛みがない初期のむし歯でも、少しずつ進行していき、次第に痛みが出てきて、最終的には、夜眠れない程痛みが強くなる場合もあります。むし歯が神経まで進行すると、歯の神経を取る処置が必要になり、通院回数もかかってしまう為、なるべく小さいむし歯のうちに治療することが大切です。
【神経の治療の中断】
上記でもお伝えしたように、むし歯が神経まで進行してしまった場合、神経を取る処置が必要になります。神経を取ると、痛みを感じることがなくなる為、この段階で治療を中断してしまう方は少なくありません。しかし、この神経の治療は、大きなむし歯から歯を残す為の治療です。
歯の神経は、細く、狭く、人によって形も異なる為、1回の治療の時間がかかり、治療の回数も、神経の治療のみで2〜3回、時にはそれ以上かかってしまいます。この段階で治療を中断してしまい、さらにむし歯が進行してしまうと、歯を残すことが難しくなる場合もあるので、最後まで治療を受けましょう。
【被せ物の治療の中断】
被せ物の治療の際に、仮の歯を一時的に入れることがあります。
見た目も白く、歯としての機能も回復する為、この段階で治療を中断してしまう方もいます。しかし、仮の歯は、汚れが付きやすかったり、壊れやすかったりする為、永久的に使うことはできません。仮の歯のままだと、汚れが残って歯茎が腫れたり、歯の噛み合わせも変わってしまう為、しっかりと本来の被せ物が入るまで、通院しましょう。
【歯周病の治療・定期検診の中断】
歯を失う一番の原因は歯周病と言われています。
歯周病は症状が出てからでは、重度の歯周病に進行していることが多いです。歯周病の治療は、あくまでも現状より悪化させないための治療なので、治療を中断してしまうと再発します。症状が出ていないのは、ただ歯茎が安定しているだけなのです。
全ての治療が終わった方は、定期検診に移行します。定期的なメインテナンスでは口腔ケアのプロである歯科衛生士が、専用の器具を用いてバイオフィルムを除去します。さらに、歯の表面を磨き、汚れの再付着を防ぎます。
メインテナンスを受けた人と、症状があるときのみ治療を受けた人とでは、80歳の残存歯数は約9本も違うと言われています。
また定期検診で、病気の早期発見も出来るので、お口の中に不具合がなくても、しっかりと定期検診を受けましょう。
他にも様々な治療がありますが、治療の中断は自然に良くなることや、治ることはありません。必ず行なっている治療や、定期検診は継続しましょう。
入院等、やむを得ず治療の中断が必要な場合も、医院にご連絡頂くと、区切りの良いところまで治療を行う等の対応も可能です。
「治療を中断してしまったから行きにくいな」などと気になさらず、お気軽に治療再開のご連絡や、日程等のご相談もお待ちしております。
次回の歯の豆知識は・・・
歯の数の異常についてお伝えします。
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