歯科衛生士の山田です。今回は歯の数の異常についてお話します。
歯の数は通常、乳歯では20本、永久歯では28本(親知らずを含めると32本)です。しかし、何らかの原因で歯の本数が多かったり、少なかったりすることがあります。今回は、歯の数についてお話したいと思います。
1・歯の数が多い…過剰歯(かじょうし)
『過剰歯の原因』
歯が作られる段階で、顎の骨の中の歯胚(歯の芽)が余分に作られてしまったり、二つに分かれてしまったりすることがあります。これが過剰歯といわれるものになります。
※歯胚に異常が現れる原因は、今のところわかっていません
『過剰歯の種類』
過剰歯には、2つの種類があります。「順正(じゅんせい)」と「逆性(ぎゃくせい)」です。
順正とは…普通に生える歯と同じ向きの歯です。
逆性とは…顎の骨の中に埋まった形のものを言います。
※逆性は、多くの場合そのままの向きでは生えてきません
過剰歯はどこに生えてくるの?
ほとんどの過剰歯は、永久歯で見られます。(乳歯の過剰歯は珍しいです)
永久歯の過剰歯が生える場所…あごの2本の前歯の間・上下の親知らずの後ろ が多いです。
過剰歯ってどうやって気づくの?
『過剰歯が他の歯に与える影響』
・永久歯が生えてこない…上の前歯の永久歯が生えてこない場合が多くみられます。
・上の前歯に隙間が空く…乳歯の時点で大きく空いていたり、永久歯の前歯がハの字になる場合は早めに歯医者さんに相談しましょう。
・永久歯の歯根(根っこ)を溶かす…埋まっている場所により、永久歯の歯根を溶かすことがあります。
・嚢胞(のうほう)ができる…歯茎の中に過剰歯がある場合、その周りに膿の袋を作ることがあります。
・細菌感染の恐れがある…永久歯が、酷いむし歯になり神経が死んでしまった場合、むし歯の根元の過剰歯にも細菌感染することがあります。
※強い痛みや大きく腫れるといった症状が現れることがあります
『過剰歯の治療方法』
過剰歯は抜いたほうがいい場合と、そのままで経過を見る場合があります。レントゲンを撮って状態を把握し判断します。
※特に、乳歯が抜けてから半年以上、永久歯が生えてこない場合は、一度、歯科医院で相談することが大事です
2・歯の数が少ない…先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)
『先天性欠如歯の原因』
歯が作られる段階で、顎の骨の中の歯胚(歯の芽)が何らかの理由で作られないことが原因と言われています。
※理由は諸説ありますが、はっきりとしていません
※むし歯で受診し、レントゲンを撮って指摘されることもあります
『先天性欠如歯や欠損歯が他の歯に与える影響』
※欠損歯…外傷やむし歯、歯周病などで後天的な理由で歯が抜けること
・永久歯が欠如し、乳歯の根が吸収されず残っている場合…乳歯をできるだけ長持ちするようにケアが必要
・残っている歯に負担がかかる…歯の寿命が短くなりやすい
過剰歯や先天性欠如歯は、自分で気づくことはとても難しいです。歯科医院でのレントゲン撮影による診断で判明することがほとんどです。早期に診断・対処することで良いお口の環境を維持することができます。
定期検診を行い、継続的にお口の状態を確認していくことがとても大切です。
次回の歯の豆知識は・・・
親知らずについてお伝えします。
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