歯科衛生士の田井です。
【1】歯ブラシだけでは磨ききれない場所がある
歯ブラシは1日2~3回以上している方も増えてきました。ですが、デンタルフロスや歯間ブラシを日常的に使用している方は少数派。厚生労働省やライオンの調査によれば、3割程度です。
しかし、どんなに丁寧に歯磨きできる方でも歯ブラシ1本でお口を清潔に保つことは不可能です!虫歯や歯周病は、歯の表面に付着したプラーク(歯垢、細菌のかたまり)が原因で起きますが、歯ブラシだけでは多くの場合、磨ききれない場所があるのです。
それは、歯ブラシの通らない歯と歯の間(コンタクトポイント)と歯ブラシが当たりにくい歯の根元まわりです。
・コンタクトポイント
歯と歯が接触した場所で歯ブラシの毛先は入らなくても細菌は入り込み、プラークとなって虫歯を起こします。
・歯の裏側の根本まわり
歯ブラシが当たりにくいため、プラークが溜まりやすいです。溜まったプラークは歯周病の原因になります。溜まったプラークはやがてザラザラとした歯石になり、更にプラークが付着する足場になります。
【2】根本まわりを清掃する
・デンタルフロス
歯肉の溝に糸をやさしく入れ込んでから、根本から先端へとフロスを動かして根本まわりを磨きます。
・歯間ブラシ
根本まわりにブラシの毛先が当たるようにします。隣り合う両サイドを磨きます。
この時気を付けていただきたいのは歯と歯の間にある歯茎(歯間乳頭)を傷つけないようにすることです。
【3】デンタルフロスの使い方
①入れる
・フロスの糸をのこぎりを引くように斜めにスライドさせながら挿入します。スライドさせると、摩擦が減って入りやすくなります。
・コンタクトポイントの清掃は、単純にフロスを通せばOK!きつくて通しにくいときは、ワックス付きのフロスがおすすめです。
※挿入するときにグッと押し込むように入れると、勢い余って歯間乳頭に食い込んで歯茎を傷つけるので注意です!
②沿わせる
・フロスの糸を歯の根元に沿わせます。歯肉の溝に、やさしく少しだけ入れ込むようにします。
③磨く
・歯の表面に沿って、歯の根元から先端方向に(コンタクトポイント)、かき出すようにフロスを動かします。
・反対側の歯の根本まわりもみがきます。歯の根元から先端方向に、かき出すようにフロスを動かします。
【4】歯間ブラシの使い方
①入れる
・挿入するときのポイントは「角度」です。
・歯間乳頭の頬っぺた側の盛り上がり部分の角度に合わせて、斜めに挿入します。上の歯なら斜め下方向に、下の歯なら斜め上方向にそっとやさしく入れましょう。
※上の歯なら斜め下、下の歯なら斜め上に傾けずに挿入すると、ブラシが歯間乳頭にぶつかり、これが続くと歯間乳頭が削れて出血と痛みが出ます。
②傾ける
・歯間乳頭の舌側の盛り上がり部分の上を通過するように、垂直方向に角度を変えます。正しく傾けられていれば、歯間乳頭を傷つけることなく歯間ブラシを挿入できます。
③沿わせる&磨く
・歯間ブラシを水平方向に傾け、歯の根本まわりに沿わせます。コンタクトポイントのすぐ下から根本まわりを磨きます。ワイヤーではなくブラシの毛先を当てるようにします。
・力を入れてゴシゴシすると、歯を傷つけますし、ワイヤーが反発して反り返って根本まわりに当たらなくなります。やさしく動かしましょう。
・隣の歯の根元まわりに沿わせるために、逆方向に傾けます。この後、同じように歯の根元まわりを磨きます。
※歯の根元まわりに沿っていないのはNGです。プラークが取れないだけでなく、歯間乳頭を押さえつけて傷付けてしまいます。
補助用具の使用は、お口を清潔に保つために非常に有用ですが、使い方が難しいのも事実です。自分のお口の状態にあった歯間ブラシがわからない方や、使い方が正しいか悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
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