歯科衛生士の田井です。
今回は、コロナ禍のオーラルケアについて詳しくお話していきます。
【1】コロナ禍で歯周病の方が増えていると言われています。
コロナ禍で歯科医院を中断してしまったり、リモートワークで間食が増えて歯周病になってしまったと考えられます。また、マスク着用時は呼吸がしづらく、多くの空気を吸える口呼吸になりやすいので、口の中の唾液が乾燥し、菌が増殖しやすい環境になり「歯周病」や「口臭の悪化」につながるということです。
【2】歯周病のある人は新型コロナウイルスに感染すると重症化する割合が高くなる、ということはご存じですか?
最新の研究で「歯周病」の方は、新型コロナウイルスに感染したときに死亡率が増加するという報告が出ています。歯周病の人が“新型コロナウイルス”に感染した場合、歯周病ではない人と比べ、死亡率は8.81倍、人工呼吸器を使用するのは4.57倍、集中治療室に入院するのは3.54倍、合併症発症は3.67倍になるということです。
【3】自分は「歯周病」なのか?セルフチェックをしましょう
「歯周病セルフチェック」
□ 口臭を指摘された・自分で気になる
□ 朝起きたら口の中がネバネバする
□ 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある(歯肉の症状)
□ 歯肉が赤く腫れてきた
□ 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
□ 歯肉を押すと血や膿が出る (歯の症状)
□ 歯と歯の間に物が詰まりやすい
□ 歯が浮いたような気がする
□ 歯並びが変わった気がする
□ 歯が揺れている気がする
当てはまる項目が1~3個の場合は「歯周病のおそれあり、軽度のうちに治療を」、4個以上の場合は「中程度以上に歯周病の進行の可能性があり、早期に治療を!」ということです。また、0個でも、定期的な歯科医院での検診やクリーニングが必要です。
【4】自宅でできるケアー方法をご紹介します
①正しい舌磨きのやり方
新型コロナウイルスで重症化する人の特徴として、舌の汚れがあるそうです。
舌苔と呼ばれる舌の表面のコケ状に見える細菌の塊が、舌全体に広がっている人が軽症~中等症者に比べて多いそうです。
舌苔は口臭の原因にもなるため、きれいにしておくことが重要です。
②正しい歯磨きのやり方
磨き始めは口の中全体に歯磨き剤を行き渡らせる。
・[バス法]
歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当てて、歯周ポケットの中に毛先を入れて細かく優しく磨く方法です。
歯周ポケットの中の汚れを掃除できることと、歯肉のマッサージ効果があります。
歯周病や歯肉炎でポケットが深い所や出血、腫れている歯肉のケアに向いています。
[スクラビング法]
歯や歯肉に対して歯ブラシを直角に当てて、横に小刻みに動かす磨き方です。
毛先を歯と歯の間に入れて磨くことで、歯間部もよく磨けます。
この磨き方は動かし方が簡単で清掃効果も高いため、子どもから大人の方までオススメできます。
・ すすぎは、歯磨き剤を吐き出して水(大さじ1)で1回のみ10秒。
→ フッ素などを残すため。
→ その後1~2時間飲食しないのが◎
③歯磨き粉の選び方
④唾液腺マッサージのやり方
口臭予防に効果的なのが、唾液の分泌。唾液が出やすくなるマッサージのやり方です。
⑤全力5秒うがい
全力5秒うがいで菌が減少。
口に水を含み、舌を全力で前後に動かしながら5秒間「ブクブク」する。
続けて上を向いてご5秒間「ガラガラ」とうがいをする。
・ 5秒ずつ「ぶくぶく」・「ガラガラ」×3回。
・ 起床時、食事の前、帰宅時、就寝前の4回実施。
➅清掃補助用具の使用
歯ブラシでは落としきれなかった歯の間の汚れをデンタルフロスと歯間ブラシで落とす。
磨き残しをゼロにするのは難しく、同じ箇所を磨き残しやすいので、その場所は365日ずっと磨けていないことになります。私たち歯科衛生士であっても定期的なクリーニングを受けています。歯周病の対策をするためには、専門的なクリーニングを定期的に受ける必要があるということです。
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