歯科衛生士の半戸です。
皆さんのなかで、しっかり歯磨きを毎回しているつもりなのに、なかなか歯周病が改善しない…、歯科医院で歯周病だと言われた…という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、歯周病にかかる主な原因は、不適切な歯磨きによって溜まった汚れや、細菌から引き起こされることが多いですが、実は他にも歯周病を誘発している要因が存在します。今回は、その要因についてお話していきます。
【そもそも歯周病とは?】
歯周病とは、歯ぐきや歯ぐきの中にある歯を支えている骨や組織を壊してしまう病気のことです。そのため、そのまま進行していくと、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
外から見える症状としては、
⑴歯ぐきが赤く、腫れている
⑵歯ぐきから膿が出てくる
⑶歯がグラグラ大きく揺れる
⑷歯ぐきのポケットが深い(4㎜以上)
⑸歯ぐきの検査をした際に、血が出てくる
皆さんの中に、このような症状に心当たりがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。④と⑤は歯科医院に行かないと分からない内容です。歯周病の心配が今のところないなと思っていても、今のお口の状態を知っておくことも歯周病を予防する第一歩になります。まずは歯科医院に行って一度みてもらいましょう!
【因子①:歯石】
歯石の表面はざらざらしているため、歯垢が特に貯まりやすいです。要因の中で重要な原因だと位置づけられており、歯周病の治療において確実に除去することが重要になります。歯石にも種類があるので、詳しくは前回掲載しました『歯垢と歯石について』の豆知識をご覧ください。
【因子②:むし歯】
歯と歯ぐきの境目あたりにむし歯ができると、穴になってしまったところに歯ブラシが届きにくくなり、穴やその周りに歯垢が溜まっていきます。そのため、歯ぐきが炎症を起こし、歯周病を誘発してしまいます。むし歯の治療は、歯周病を防ぐためにも大事な治療になります。
【因子③:お口の乾燥】
私たちのお口の中の細菌は、唾液によって勝手に洗われてきれいになっている部分が存在します。歯ぐきもその一つです。しかし、お口の中が乾燥すると、本来細菌が付きにくいところにも付きやすく炎症を起こしやすいため、歯周病になるリスクが上がっていきます。乾燥が気になる方は、こまめな水分補給やうがい、マスクを着用して乾燥を防ぎましょう。
【因子④:歯列不正】
歯が前後しているところ(前歯あたりなど)は、歯垢が溜まりやすく、歯周病の他にもむし歯になりやすいので、注意が必要になります。歯磨きの際は、よく意識して磨き、歯ブラシの他にも歯間ブラシや糸ようじなどの補助用具を使うと清掃性が上がるので、これらの使用をおすすめします!また、必要に応じて矯正治療も必要です。
【因子⑤:歯周ポケット】
歯周病が進行するのと比例して、歯周ポケットも深くなるため、その中に溜まっている汚れが歯ブラシの毛が届かないところまで入り込み、やがて歯石と化してしまいます。また深いポケットほど菌が活発になるので、歯周病をさらに加速させてしまいます。
深くまで入り込んだ歯石は、ご自身でとることはほぼ不可能なので、歯医者で歯ぐきの中の歯石をとる処置をしてもらう必要があります。
【因子⑥:歯ぎしり・食いしばり】
食事の時以外に、上下の歯が接触している時間が長いと、歯に加わる力から歯ぐきの方に負担がかかり、歯を支える骨を減少させる原因に繋がります。歯ぎしりや食いしばりは、癖になっていることが多いので、しないように意識をしたり、ひどい場合はマウスピースを歯医者で製作したりして予防しましょう。詳しい改善方法は、こちらも以前掲載した『歯ぎしり・食いしばりについて』をご覧ください。
【因子⑦:喫煙】
喫煙は歯周病の発症と進行に最も悪影響を及ぼします。喫煙者の歯ぐきは、歯周病菌の影響を受けやすく、進行・悪化しやすい状態になります。こうならないために、たばこをやめるのが一番ですが、本数を減らしたり、頻度を抑えたりなど、少しの工夫が大切です。そして、歯科医院での定期的なクリーニングを行いましょう。
【最後に…】
以上の因子を持っているからといって、必ずしも歯周病が悪化し歯を失うわけではありません。細菌の量や、生活習慣などあらゆる因子が重なり合って進行していきます。一番の予防策は、歯科医院で定期的に診てもらい、専門的なクリーニングを行うことです。もしもう歯周病だから今から予防しても…と思っている方も、今後の行い次第で、上手に歯周病と付き合っていくことは可能です!ぜひ一度歯医者を受診してみてください!
次回の歯の豆知識は・・・
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