管理栄養士の服部です。
佐藤歯科医院には、管理栄養士が2人在籍しています。
私は、歯科と栄養の密接なつながりをより多くの方に知っていただけるよう活動しています。その活動の1つとして、当院で今後サプリメントの導入を検討しています。サプリメント導入に向けて行ったアンケートで貧血の症状を感じているスタッフが多くいました。世の中にも貧血で苦しんでいる方が多いと考え調べてみると、貧血と鉄不足の関係を再確認することが出来ました。管理栄養士の立場から貧血について情報提供させて頂きます。
【貧血】
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなった状態のことです。
ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ重要な働きをしています。しかし、ヘモグロビンの量が少なくなると運べる酸素の量も少なくなって全身が酸欠状態となり、めまいや立ちくらみ、頭痛などのさまざまな症状が現れるようになります。
特に女性は月経で血液を失うため貧血になりやすく、中でも若い女性はダイエットや偏食など不摂生な食生活によって貧血になる人が増加傾向にあるとされています。
ヘモグロビンの元となる鉄が不足することによって生じる、鉄欠乏性貧血が貧血の約60〜80%を占めるといわれます。
【鉄欠乏性貧血の原因】
①月経・妊娠・分娩・授乳
女性は、月経による出血で鉄分が不足しがちです。妊娠中は血流量が増加し、自身と胎児に必要な鉄分、分娩時の出血によるもの、授乳期は血液から母乳が作られるため鉄分が不足しがちです。妊婦が貧血の場合、赤ちゃんが低体重児として産まれてしまったり、早産になったりする可能性があるとされています。
②偏った食習慣
ダイエットなどで食生活が偏っていると、鉄はもちろん、赤血球をつくるのに必要なタンパク質、ビタミンB群、鉄の吸収をサポートするビタミンCなども不足しやすくなります。ファストフードなどに偏った食生活でも、鉄や、鉄の吸収を助けるビタミンCなどが不足しやすく、貧血の原因になります。
③運動
運動すると汗と共に鉄が排出されます。また、運動すると末梢組織の酸素需要が増加し、酸素を運ぶヘモグロビンの消費が増加します。このような理由で、激しい運動を日常的にしている人は鉄が欠乏しやすく、鉄欠乏性貧血になりやすいと言えます。
【鉄】
鉄は、人の体に必要なミネラルの一種です。
血液中の酸素を運ぶ働きをしている「機能鉄」と、機能鉄が不足したときのために蓄えられている「貯蔵鉄」に分けることができます。しかし体内で作ることが出来ないため、鉄分の多い食べ物から補給しなければならない栄養素です。
【ヘム鉄・非ヘム鉄】
食品に含まれる鉄には、肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と野菜や穀類などに含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄の方が非へム鉄より鉄としての吸収率が5~6倍高いことが知られています。しかし、一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄なのが現状です。
鉄不足を効果的に予防するためには、吸収性の高いヘム鉄が豊富な食品を含むバランスのよい食事を摂ることが大切です。
【吸収率アップ】
鉄の吸収率を高めるポイントは、ビタミンCや動物性たんぱく質を一緒にとることです。
①ビタミンC
そのままでは吸収されにくい非ヘム鉄を吸収されやすいヘム鉄に変える働きを持っています。大豆製品やひじきなどの非ヘム鉄を多く含む食材とブロッコリーや小松菜などのビタミンCを含む食材を一緒に調理したり、食後に新鮮な果物を摂ることで鉄の吸収をUPにつながります。
しかし、、、
ビタミンCは、長時間加熱すると破壊されやすいという弱点があります。また、水溶性ビタミンなので、水にさらす、茹でるなどによって水に溶け出てしまいます。野菜は、水につけたままや切ったまま放置せず、炒める時は強火で短時間に調理するように心掛けて下さい。
②動物性たんぱく質
中でも、牛肉やまぐろなどの動物性タンパク質は、体内でのヘム鉄の利用性を高め、非ヘム鉄の消化管内での溶解性を高めるなどの働きを持っています。
しかし、、、
同じ動物性タンパク質でも鶏卵や乳製品のタンパク質には、鉄の利用促進作用は認められていないので、注意して食材を選んで下さい。
バランスのよい食事から効率よく鉄を摂り、貧血を予防していきましょう。まずは食事を見直し、食事で補えない部分はサプリメントを活用することもおすすめです。
今後、当院ではサプリメントの処方等を開始予定です。今後も「歯科と栄養」について情報発信していきます。
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