歯科衛生士の林です。今回は、親知らずについてお話します。
親知らずとは、専門的に言うと第三大臼歯、智歯とも言われており、最後に生えてくる一番奥の永久歯のことです。それまでの永久歯、第二大臼歯までは12歳ごろまでに生え揃いますが、親知らずは大体18歳~20歳くらいに生えてきます。(個人差があります)
また、生え方にも個人差があり、4本しっかり生える方もいれば、食生活の変化の影響のため、咬む回数が減少することにより顎が細くなり、親知らずが生えてくるスペースがなくなり、横に傾いて生えてきて、一部の頭だけが見えてる状態や完全に埋まった状態など、そもそも親知らずが元々無い方もいます。(退化なのか、進化なのか!諸説あります)大きさ・生え方・形状にも個人差があるのが親知らずの特徴です。
歯の由来
・親知らず→親が亡くなってから生えてくる。(昔は短命だった。)
・智歯→成人になって知恵がついてから生えてくる歯、と言われています。
親知らずは抜いたほうがいい?
生えてきたけど、どうしたらいいいのか分からない方もいらっしゃると思いますので、親知らずを抜いたほうが良いケースと、そのままで良いケースがあるので説明していきます。
親知らずを抜いたほうが良いケース
・真っすぐ生えずに、横倒しや斜めに生えている。
・歯茎の腫れ、痛みが出たことがある。
・親知らずや手前の歯との間が、むし歯になっている。
・噛み合う歯がない。
・変な臭いがする。
・歯並びが悪くなってきた。
・矯正治療を考えている。(矯正の先生の診断が必要です。)
親知らずが、斜めや横倒しで生えてしまっていると、隙間に歯ブラシが届かず歯と歯茎の間に汚れがたまり、むし歯になったり、歯肉に炎症を起こし痛みの原因になります。炎症が落ち着いても何度か繰り返し、歯周病を進行させることがあります。(詳しくは、歯周病についての豆知識があるので、そちらを一読ください。)
また、生え方によっては隣の歯を圧迫して歯並びに影響を与える場合や、真っすぐ生えていても噛み合う歯がない場合は伸びてきてしまい、歯肉や周りの組織を傷つけ痛みの原因になります。このような場合は、抜歯したほうが良いケースになります。
親知らずを抜かなくていいケース
・完全に歯茎の深い位置に埋まっていて、痛みや違和感のない方。
・キレイに上下しっかり生えて噛み合っており、尚しっかりブラッシングが行き届いている方。
・手前の歯を失った場合に親知らずを利用して、ブリッジや入れ歯の支えに出来る場合。
親知らずのQ&A
Q、初診の当日に親知らずは抜けますか?
A、当医院では、初診当日の抜歯は基本的に行いません。生え方に個人差がある歯なので、初診当日は口腔内全体を把握するため、検査を行い治療計画を立案。説明を行います。
Q、親知らずが痛いので、今すぐ抜けますか?
A、親知らずの歯茎が腫れたり痛みが出て炎症を起こしているときには、痛み止めの麻酔が効きにくかったり、傷の治りが悪くなることが懸念されるため、抜歯を行いません。炎症が起きてるときには、患部の洗浄・消毒、抗生物質の薬を飲んでもらい、後日、炎症を抑えてから抜歯を行います。女性の場合は妊娠中に痛み出すケースがあります。娠中は出来るだけ薬の服用を避けたい時期だと思いますので、トラブルを起こす前に現状を把握し、予防・対策をしていきましょう。
Q、親知らず4本一度に抜けますか?
A、食事などの日常生活に支障が出るので、4本一度には抜歯は行いません。当医院では術後のトラブルを少なくするため、基本的には一本ずつ行います。レントゲンで生え方や位置を確認し、可能であれば左の上下・右の上下の二回に分けて行うこともあります。
Q、親知らずの抜歯は大きな病院でしかできない?
A、当医院でも親知らずの抜歯は行っております。また、当院では新潟の日本歯科大学で口腔外科治療や歯周病外科治療を専門に行っている先生が土曜日に診療を行っているので、他院で抜歯が難しいと言われた方も安心して御相談下さい。ただ、生えている位置が神経に近い場合や抜歯困難な場合は、病院を紹介するケースもあります。
Q、親知らずを抜歯した後の歯茎の穴は元に戻る?
A、抜歯直後は、穴が開いたままで食べカスが入ったりしますが、1~2ヵ月すると徐々に周りの歯茎となじんできれいな形に治ります。(食べカスは詰まったまま塞がることはなく、自然に出ていくので安心してください。)若い方や栄養をしっかりバランスよく摂取している方は、回復が早い傾向にあります。なので、抜歯が必要な場合は、若い内に抜歯したほうが良いと言われています。
Q、親知らずを磨きやすい歯ブラシはある?
A、コンパクトな一本磨きタイプの歯ブラシがあるのでおすすめです。
Q、親知らずがあったら、すぐに抜いたほうが良い?
A、頭が見えてからの方が良い場合もあるので、生えてくるのを待つこともあります。まずは、レントゲン等の診査が必要です。
最後に…
お知り合いから、親知らずを抜いて腫れや痛みが大変だった、という話を聞いて治療をためらわれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
まずは、検診を行いご自身の親知らずの状態を把握し、必要ならば治療を行い、お口の中のトラブルを減らすためにも、メインテナンスを受けましょう。
次回の歯の豆知識は・・・
当院で行われている治療についてお伝えします。
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