歯科衛生士の志田です。
歯磨きをしても歯の裏側がザラザラしていて気になったことはありませんか?その原因は歯石の付着によるものかもしれません。そして歯石が形成される原因は歯垢(プラーク)の付着です。今回は歯垢と歯石についてお話をしていきます。
【歯垢とは】
歯垢とは、食べかすではなく細菌のかたまりです。歯垢に含まれる細菌は約600種類存在しており、歯垢1mg当たりに10⁸個、つまり約1億個の細菌が存在しています。これは、「排泄物であるうんち」とほぼ同数と言われています。
歯垢は白色または黄白色でネバネバと粘着性があり、歯の表面に付着している為、うがいをしただけでは落とすことができません。
【歯垢の形成】
口腔内の細菌が歯の表面を覆っている唾液由来の糖たんぱくのペリクルに付着し、増殖して時間が経過すると歯垢が形成されます(歯垢は食事をしてから約8時間で形成されます)。歯垢が成熟していくとそこに集まってくる細菌も多種多様になり、特に歯周病に関して悪さをする細菌が増えていきます。
【歯垢が付着しやすい所】
歯垢は歯と歯の間、奥歯の噛み合わせの面、歯と歯茎の境目、歯並びの段差がある部分などに残りやすいです。
歯ブラシだけだと口腔内の歯垢は6割程度しか落ちません。糸ようじや歯間ブラシなどを使用すると歯垢除去率が8割~9割程度に上がります。時間がある時はしっかり歯と歯の間の清掃を心がけましょう。
【歯石とは】
歯石とは、歯垢が付着した状態が長く続き唾液に含まれるカルシウムなどによって石灰化して石のようになったものです。個人差はありますが、基本的に2日後に石灰化が始まり2週間ほどでほぼ成熟します。歯石自体に害はありませんが、歯石の表面はザラザラしている為、そこから歯垢が付着しやすくなり歯茎の炎症に繋がるので、歯周病予防としてしっかり除去することが必要になります。
歯石は大きく分けて歯茎の上で形成される歯肉縁上歯石と、歯茎の中で形成される歯肉縁下歯石があります。
歯肉縁上歯石は白から淡黄色をしていますが、歯肉縁下歯石は炎症を伴い出血を起こすので、黒く石灰化を起こします。歯肉縁下歯石は血液成分を含み歯の面に強固にくっつく為、除去することが歯肉縁上歯石よりも困難です。
【歯石が付着しやすい所】
歯石は下の前歯の内側や、上の奥歯の外側など唾液腺が近くにある部位に付着しやすいです。
歯磨きを行う際は、この部位に歯垢が溜まらないように意識して磨きましょう。歯石が付着したら歯ブラシで落とすことは出来ないので、定期的に歯科医院で使用している超音波の専用の機械や器具などで除去しましょう。当院では初診時に口腔内を確認、説明をした後に一部分の歯石取り(スケーリング)を行います。
このように超音波の専用の機械を使用すると、しっかり歯石を除去することが出来ます。写真でも分かるように、歯石が付いていた部分の歯肉は炎症が起きているため、出血しています。
【歯垢・歯石付着の予防法】
歯垢はむし歯や歯周病など口腔内の様々なトラブルの原因です。まずは正しいブラッシング方法をマスターしましょう。汚れを落とそうと力強く磨いてしまうと歯の表面がすり減りしみる症状が出たり、歯肉を傷つけたりしてしまう可能性があります。どんなに長い時間強く歯磨きをしていても、汚れている部位に歯ブラシがしっかり当たっていなければ意味がありません。
当院ではむし歯治療が終わってもそこで終了ではありません。定期的に通っていただき、専用の機械でクリーニングを行うプロフェッショナルケアはもちろん、患者さん毎の担当衛生士が一人一人に合った歯磨き指導を行い、毎日のセルフケアの向上を図ります。分からないことは遠慮せず、スタッフにお聞きください。正しいブラッシング方法で歯垢を除去し、歯周病予防を行っていきましょう。
次回の歯の豆知識は・・・
歯周病になりやすい要因についてお伝えします。
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